今年度の目的は、採血を受ける乳児および幼児期前期の子どもに付き添う親が、子どもが採血を受ける状況においてどのような不安をもっているか、また子どもへの支援はどのように行なっているのかを明らかにするために、採血に付き添った親に聞き取り調査を行なった。本研究では、身体的苦痛(発熱や痛みなど)のある子どもの親は、病気や症状の影響を受けることから対象から除外している。そのため対象の選定が難しい。現在までに5名の面接を終了しているが、今後も引き続き面接を行い、データを得る必要がある。また、面接のほかに、質間紙調査(新版STAI)と唾液アミラーゼ測定モニター(AMY)を使用して、質的および生理学的データも得ている。詳細としては、子どもが採血を受ける乳幼児の親を対象に、採血前、採血10分後に新版STAI、採血前、採血直後、採血5分後、採血10分後にAMYの測定を行なうものである(AMYの妥当性の検討を本研究のプレテストとして行い、その結果を日本看護科学学会において発表した)。現在20名からデータを得ており、その結果について学会発表を予定している。今後もデータを追加していく予定であるが、現時点での主な結果としては1.採血を受ける幼児に付き添う親の状態不安は低不安群に属し、採血前後での変化はみられなかった。2.採血前から採血10分後にかけて親のAMYは徐々に低下していくが、有意差は認められないといったことがわかった。以上、平成20年度に得られた結果を、乳幼児のストレス緩和を目指した親へのプリバレーションモデル検討の基礎的データとするため、平成21年度においてもデータ収集を重ねていく。データの蓄積後は共同研究者、小児看護経験10年以上の看護師らと結果を分析し、プリパレーションモデルの試案につなげていく。
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