研究課題/領域番号 |
20592623
|
研究機関 | 岐阜大学 |
研究代表者 |
後閑 容子 岐阜大学, 医学部, 教授 (50258878)
|
研究分担者 |
石原 多佳子 岐阜大学, 医学部, 准教授 (00331596)
玉置 真理子 岐阜大学, 医学部, 助教 (00377681)
|
キーワード | 保健師 / 市町村合併 / 保健活動 / transition / ジレンマ |
研究概要 |
合併後4年から5年を経過した市(3か所)に勤務する保健師の係長及び主任に合併後の保健活動の経過と保健師としての合併に対する思いについてインタビューをいった。インタビューをした中から、合併後の保健師の活動に関して認識が対照的な2つの市の保健師のインタビューを取り上げて、その概要を述べる。 1.合併後の保健活動が円滑に実施し、かつ、効果的に実施したと認識している、すなわち合併に成功したと認識している保健師係長は、次のような認識をしていた。(1)合併をチャンスととらえ、地域特性を把握し、新たな保健政策を生み出した。(2)不利な時ほどチャンスととらえた。(3)地域実践に重点をおき、住民のところに出かけていく。(4)誠実にすれば必ず住民に助けられると信じる。(5)同様な立場の保健師係長と信頼関係を築き、助け合う。 2.合併後に保健活動に関して悩んでいる保健師主任は、(1)合併する市町村の保健事業のすり合わせに重点を置いていた。(2)保健事業として将来の方向性を考えるゆとりがない。(3)事業担当にしたので、地域全体のことが分からなくなってしまった。(4)保健師として地域の健康課題が見られないといったジレンマに悩んだ。(5)2年前から一人ずつ小さな地区を分担してもつ地区担当制を取り入れているが、業務分担とのバランスがうまくいかない。(6)地域の人々の実態を保健師の視点で把握する方法を若い保健師が学べていない現状が見えた。(7)主任や係長など中心的な保健師同士が、全く異なる課に配置されているので、お互いの情報交換や相談ができない。 合併前後の保健師の活動が円滑に移行し、保健師が満足感をもって役割を果たすことができる要因をさらに検討していく必要がある。
|