【研究目的】市町村保健師が精神障害者を対象の家庭訪問に必要なスキルを明らかにする。 【研究方法】研究協力者が行った初回の家庭訪問で、同意の得られた精神障害者32人の記録票を作成し「家庭訪悶の不安・困難感」「訪間後の気づき」「家庭訪問に必要な項目」を記述した。表現の適合性を検討し家庭訪間に必要な107スキルが抽出された。訪問プロセスを事前、実施中、事後、全プロセスとスキルの内容を知識、意識、行動、全て、に分類し、各々を対応させ12カテゴリーの表を作成した。表現妥当性を検討し、訪問前、訪問中、発展に分類した。 【結果】訪問前はコミュニケーション、家族、ニーズの把握に関する不安、訪問後は、保健師仲間に助けられた等があった。家庭訪問に必要な43スキルが抽出された。訪問前のスキルは、疾患と治療の知識、制度や関連サービスの把握、訪問中には、生活の実態や言動、家族との対話から病状、人間関係の把握などであった。地域を対象とした保健師の家庭訪問スキルでは精神障害者のみならず保健師が行う家庭訪問に共通しており、ケースを大切にした関わりや家族支援、適切な間隔の訪問、組織での対応があった。 【考察】保健師の家庭訪問スキルには、対象の疾患や治療の知識とともに、対象の家族や地域の住民と共に係わること、障害に対する理解を深めていける地城づくりに発展させるスキルが必要であると、考えられた。また、保健師間のスキルアップ体制や情緒的サポートが課題である。 【結論】市町村保健師が精神障害者を対象とした家庭訪問に必要なスキルは43スキルが抽出され、精神障害者の疾患や治療を考慮した技術、障害に対する理解を深める地域づくりに発展させる技術であった。保健師のスキルアップ体制、組織的な家庭訪問を実施できる体制整備が必要である。
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