研究課題/領域番号 |
20592630
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
松原 三智子 札幌医科大学, 保健医療学部, 講師 (20304115)
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研究分担者 |
和泉 比佐子 札幌医科大学, 保健医療学部, 准教授 (60295368)
岡本 玲子 岡山大学, 保健学研究科, 教授 (60269850)
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キーワード | 子育て支援 / コーチング / プログラム開発 / 評価 / マルトリートメント予防 |
研究概要 |
最終年度は、コーチングを応用したマルトリートメント予防子育て支援プログラムを作成し、介入を行った。研究参加者は児童デイサービスを利用している母親で、(1)コーチングの基本的な考え方、(2)聴く、承認、質問、提案などのスキルについて、講義と演習を月に1回、合計5回の介入を行った。その後、対象者の希望にあわせて月に1回、合計4回の継続的介入と評価を行い、その効果として以下の3点が明らかになった。 (1)プログラム終了時に、対象のニーズにあっていたか、役立ったかなどの13項目について、研究参加者による評価を1点(全く思わない)から7点(とても思う)で実施し、平均値4.5~5.7で概ね良好な結果であった。 (2)母親はプログラムに参加して話をすることで、「自分や子育てを振り返る機会となった」など、の【自分自身への気づき】や、「充実した気持ち、発散、リセットの機会になった」などの【気持ちの切り替え】になっていた。さらに、「相手の気持ちになって話すことを意識するようになった」などの【コミュニケーションの変化】が見られた。また、「コーチングを用いて自分の問題について考え、答えを導きだせるようになった」という【実践への利用】も見られた。しかし、「時間の余裕がなく、頭ではわかっていてもうまく使えない」「こうしなければならないと思い自己嫌悪に陥った」などの【実践への困難さ】を感じた母親もいた。 (3)プログラム参加者の母親は、保護者会を立ち上げる必要性を実感して役員となって活躍し始めたり、更なる研修会にも参加して積極的に子育てに取り組み始める母親がいた。 したがって、本研究で作成したプログラムは、親の認識の変化や具体的な行動の変容も認められ、一定の効果があったと考えられる。
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