研究概要 |
高齢化戸建団地は、共同体意識の希薄化、家族の小規模化などの要因により、高齢者の孤立化や生活共同体としての機能崩壊等の課題を表出させている。このような状況に鑑み、皆が高齢になっても安心して暮らせるコミュニティづくりを住民との協働で目指すことが急務となる。そこで、住民自身が地域の問題に主体的に取り組む自主組織形成モデルの構築を目指すことにし、初年度は,住民組織の発足支援と自主活動能力の育成支援、さらに住民組織による活動成果の発信および他地域への波及を目指す取り組みを以下の内容で実施した。これらが自主組織形成モデルの基盤づくりに繋がった。 1住民組織の発足支援と自主活動能力の育成支援 (1)住民組織「くらしを考える会」の発足支援、(2)住民組織「くらしを考える会女性部」の発足支援、(3)団地内の家族構成調査、(4)要援護高齢者のマップづくり、(5)住民組織会員への研修会開催(個別支援の方法、集団支援の方法、地域づくりの必要性)。以上の(1)〜(5)の内容を実施したことで、住民自身が要援護高齢者への家庭訪問やミニデイサービス等を開催するようになり、自主的活動の第一歩を踏み出すことなった。 2住民組織による活動成果の発信および他地域への波及 「団地サミット2009住民で創るすごやかコミュニティ」を開催した(参加者220名)。(1)基調講演:「ソーシャルキャピタルと健康」、(2)シンポジウム:「つながり、助け合う向こう3軒両隣」、シンポジスト:住民、行政職、研究者。以上の内容を実施したことで、住民と共にコミュニティづくりについて考える機会となり、さらに住民によるコミュニティづくり推進の機運を高めることに繋がった。
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