【研究課題】対人関係の形成が困難な子どもと家族に対して支援をしている養護教諭の姿勢や臨床判断、ケア行動を明らかにする。発達障害や不登校など対人関係の形成が困難な状況にある子どもと家族に関する既存の研究や論説等から子どもを含む家族を支援するケア行動を抽出した。【成果】援助関係の形成(家族とのパートナーシップの形成、家族の価値観の尊重、家族の強みの強化等)を基盤としながら家族の体験(ニーズ、情緒的反応の把握等)を理解し支援行動をとっている。1.家族の日常生活、セルフケアの強化:(1)子どもの個別指導への保護者の参画支援(2)子どもに対して最善のかかわりを行っていること、誠実な対応を家族に見せる、伝える(3)家族がリラックスできる時間や余裕がもてるようにする。2.情緒的支援の提供:(1)心の揺れを理解し、家族の体験世界に関心をもつ。温かく見まもり、潜在的要請に機敏に応える(2)聞きたいことが聞ける雰囲気づくりをする(添う、保証する、認める、看護る、つながる)(3)肯定的関心を示す(ねぎらいの声かけ)。3.家族教育:(1)ソーシャルスキル教育(2)知識・情報の提供(支援方針や養育の仕方、必要な医療機関へのアクセス方法、子どものかかわり方のモデリング等)(3)子どもの日常を平易に伝える。4.対処行動の調整や対処能力の強化:(1)子どもの良い点を話す(2)家族のストレスマネジメントの支援。5.家族関係の調整・強化、コミュニケーションの活性化:(1)母子相互作用促進の予防的介入(子どもと母親の情緒を最大限に促進する、子どもの発達に対する親の期待を保証する、母子の信頼感を促進する)(2)親子相互作用・愛着形成の促進(子どもから母親へのメッセージの通訳、母親から子どもへのメッセージの与え方の助言)。6.役割調整:両親が協力して養育に取り組むことができるよう助言する。7.地域社会資源の活用:(1)タイムリーな情報提供、活用への助言(サポートグループ、関係機関)(2)ネットワークの強化
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