研究分担者 |
堀井 節子 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (30290224)
三橋 美和 京都府立医科大学, 医学部, 講師 (60347474)
田中 小百合 明治国際医療大学, 看護学部, 准教授 (80324573)
徳重 あつ子 明治国際医療大学, 看護学部, 講師 (30555644)
神原 惠 神戸常盤大学, 保健科学部, 教授 (10570062)
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研究概要 |
目的:就業して2~3年後の保健師を対象に教育的介入を行い,専門職業人育成のための教育プログラムを開発する. 研究方法:(対象)平成17・18年度に京都府内の保健所及び市町村に就職した保健師21名. 教育プログラムの内容と方法:講習会を2回開催教育プログラムの評価:(1)活動計画と評価に関する質問紙調査(2)客観的評価-評価票の作成と個別指導前後の比較-(3)プログラム全体に関する質問紙調査(4)インタビュー調査を実施<結果:(1)健康問題の把握と優先度の判断は,保健師活動の最初のプロセスであり本プログラムを実施することで保健師の実践能力の一部を高めることに役立った.(2)地域の健康問題を的確に把握する能力を強化すること,データの分析方法の教育の必要性が高く,個別指導により,その成果を得やすいと思われた.(3)本プログラムは,有意義であったが,実践能力の変化や満足感が高いものはあまり多くなく,その理由は主にプログラム参加やプログラム課題の遂行自体ができなかったことであった.新任期の保健師が「実施」に追われ「計画」及び「評価」のプロセスを十分検討しながら実施することができない現状が示唆された.(4)日々の保健師活動の振り返る機会として研修を充実した体験に位置づけていた保健師がいた一方で,評価計画を含む計画立案の困難さ,負担感,後悔を感じていたことも明確になった.今後は,参加保健師より指摘のあった実施時期等の検討や,相談先などのサポート体制の充実を図ったプログラムの必要性が指摘された. 結論:本プログラムが新任期の保健師にとって実践能力の一部を高めることに役立ったと考えられた.一方では,本プログラムを実施するにあたり,時間の制約や業務の変更等により困難なところも示唆された.今後の課題として,新任期保健師の教育体制の組織的な整備が重要と思われ,具体的には,実施時期等の検討や,大学等と連携した実効的な教育体制が有効であると思われる.
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