研究課題/領域番号 |
20592649
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
小泉 美佐子 群馬大学, 医学部, 教授 (50170171)
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研究分担者 |
辻村 弘美 群馬大学, 医学部, 助教 (70375541)
坂入 和也 群馬大学, 医学部, 助教 (80361369)
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キーワード | 認知症 / 高齢者 / おだやか / well-being |
研究概要 |
辻村、小泉作成の認知症高齢者のおだやか(well-being)スケール24項目を用いて認知症高齢者のおだやかさをとらえ、認知症レベルと性格との関連を明らかにする目的で予備的研究を実施した。最初に、通所リハビリテーション、グループホームを利用している認知症高齢者36各を対象に行動観察によりおだやかさを評価、臨床認知症基準(CDR)についても調査した。64点以上(96点満点)をおだやかと評定し12名(33.3%)をスクリーニングした。次に家族より研究の同意を得た9名について家族の聴き取り調査で(1)Big Five性格尺度を用い発病前と現在の性格傾向を評価、(2)発病から現在に至る経過、精神的に不安定な時期はあったか、いつ頃からおだやかになったかなどについて質問し回答を得た。 その結果、第一に認知症のレベルとの関係では、臨床認知症基準(CDR)による評佃で、0.5(認知症の疑い);3名、1(軽度);4名、2(中等度);2名であった。第二に性格傾向の変化については、外向性;病前7名(病後3名)、開放性;2名(2名)、神経症傾向;1名(1名)、協調性1名(1名)、誠実性;3名(1名)であった。 以上のことにより、対象がおだやかに生活できている背景として、(1)認知症が軽度から中等度の段階にあり、自分らしさが発揮され、好きなことに打ち込める。(2)元来の性格が外交的で現在もその傾向が保持され、おだやかさの要素である周囲との交流や情緒面に良好な影響を及ぼしている。(3)体力の衰えにより行動面でおだやかになり、現在の生活環境に適応している可能性が解明した。
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