研究課題/領域番号 |
20592655
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
堀 容子 名古屋大学, 医学部, 准教授 (90352905)
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研究分担者 |
前川 厚子 名古屋大学, 医学部, 教授 (20314023)
榊原 久孝 名古屋大学, 医学部, 教授 (80153873)
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キーワード | 家族介護意識 / 扶養義務感 / 血圧低減プログラム |
研究概要 |
本研究は、家族介護者に対する科学的根拠に基づいた血圧低減プログラムの開発を目的としており、研究期間内に以下の4つを明らかにすることを目標とするものである。(1)家族介護意識に対する概念の明確化と尺度の開発を行い、信頼性・妥当性を検討する。(2)家族介護意識が血圧を上昇させるメカニズムを明らかにする。(3)解析結果をもとに、家族介護者に対する血圧低減プログラムの開発を行う。(4)毛髪が、Na摂取量の指標や栄養評価に利用できるかを明らかにする。平成20年度は、文献検討から家族介護意識の概念の明確化と構造化と、同時に近似した概念である介護負担感、介護義務感、老親扶養意識などの概念の整理をおこなった。家族介護意識の概念には統一した見解はなく、それぞれの研究者が家族介護指向、介護受容などさまざまな用語で表現しているが、いずれも共通している概念は「親の基本的なニーズに応えるのは子の義務である」という老親扶養義務感であった。 家族介護意識の概念整理と構造化を図り尺度化することは、「家族介護意識」により生じる「介護を抱え込む」状況を明らかにすることとなり、家族介護者の心身の健康状態の向上だけでなく、虐待予防にも役立ち、介護保険が掲げる介護予防事業や、任意事業である家族支援事業、さらには高齢者虐待防止養護者支援法に基づく事業の推進に大きく寄与すると考える。 また、本研究で最終的に開発する血圧低減プログラムは、「肥満に起因しない高血圧」という家族介護者の特徴を生かすものである。このため、平成20年度はプログラム作成に向けて、高血圧予防食(DASH食Dietary Approach to Stop Hypertension)の開発や、介護ストレスの緩和のための笑い誘発プログラムの短期効果などの検討も同時に行った。
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