研究概要 |
本研究は、円背高齢者の転倒防止および活動量の維持、増加を目的とする疾患特異的な認知バランストレーニングプログラムを開発すること、そしてトレーニング継続に効果的な自己管理への援助方法を確立することであり、2年目となる平成21年度は、以下4点を行った。 1, 対象者選定および初回体力測定(21年4月) 整形外科クリニック通院中の65歳以上の女性で脊柱後弯のみられる者に、受診時に研究の参加協力を呼びかけ、同意の得られた12名に対し、8項目の体力測定を行った。 2, トレーニングプログラムの実施(21年4月~22年3月) 3ヶ月毎の体力測定、および毎月の個別面接、開始3ヶ月時点で個別インタビューを実施し、必要に応じてトレーニングメニューの変更を行い、トレーニング継続のサポートを行った。8月時点で対象者12名中、体調不良等の原因で計4名のドロップアウトが認められた。 3, トレーニング開始3ヶ月後のプログラムの評価(21年7月~9月) トレーニング継続中の対象者10名の分析より、体力測定値の改善が認められた者は、バランス能力では開眼片脚立ち4名、重心動揺(単位軌跡長)では開眼6名、閉眼5名であった。筋力では足趾把持力5名、膝伸展筋力7名、体幹筋力では腹筋、背筋ともに4名であった。足関節可動域では背屈角度、底屈角度ともに6名であった。トレーニング前後における各測定項目平均値はいずれも有意差を認めなかった。しかしながらトレーニング実施率は約80%と良好で、今後引き続き対象者の運動実施状況に応じた運動内容の見直しを図り、難易度を徐々にアップすることで、体力測定値の向上が期待できると結論づけた。 4, トレーニングプログラム試案評価に関する成果発表(21年9月) 昨年度の研究成果をまとめ、学会にて発表した、来年度は1年間の介入効果、および介入終了6ヶ月後の追跡調査結果を分析検討し、成果の発表、論文執筆を実施する計画である。
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