研究概要 |
本研究は、円背高齢者の転倒防止および活動量の維持、増加を目的とする疾患特異的な認知バランストレーニングプログラムを開発すること、そしてトレーニング継続に効果的な自己管理への援助方法を確立することであり、最終年度となる平成22年度は、以下4点を行った。 1, トレーニングプログラムの実施(追加対象者)(~22年12月) ドロップアウトによる対象者減少のため、追加募集した2名に対しトレーニング介入を開始した。最終的なトレーニング完了者は8名であった。 2, トレーニング終了時のプログラム評価(22年4月~5月) トレーニングの週平均実施日数は5.5日で完了した8名の対象者はいずれも良好にトレーニングを継続することができた。トレーニングによる直接的な効果が期待される背筋、足趾把持力、開眼片脚立ちは介入前と比較し、有意な体力測定値の改善を認めなかったが、体力の維持を図ることは可能であった。また、体力測定値の改善を認める者でも活動畳(歩数)の有意な改善は認めず、直接的な反映を認めなかった。 3, トレーニング終了6ヶ月後の追跡調査(22年10月~12月) 定期的な個別面接と体力測定によるフォローアップを実施し、1年間のトレーニングを完了した8名中7名は、終了後の半年間トレーニングを継続できていた。6ヶ月後の体力測定値より、トレーニング終了時の体力は維持できていた。また個別インタビュー内容から、今後のトレーニング継続への意欲と自信が認められた。 4, トレーニングプログラム評価に関する成果発表(22年8~12月) 昨年度の研究成果をまとめ、国際および国内の学会にて発表を行い、雑誌論文に掲載が予定されている。今年度実施した1年間のトレーニング介入効果および追跡調査に関する分析評価内容は、順次、学会発表、論文執筆予定である。
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