<目的>認知症初期の混乱期における家族の機能障害およびケアニーズを明らかにし、ケアの介入方法を検討する基礎的データとすることを目的とした。<対象>佐賀県内の12名の初期認知症者の家族で主介護者を対象として半構成的インタビューを実施した。分析にはATLAS.tiを使用し、データをコード化後、カテゴリーを抽出した。<結果>初期認知症者家族へのインタビュー 分析の結果、<認知機能障害><行動障害><認知症高齢者の介護者・同居家族への思い><認知症高齢者の親族への思い><認知症高齢者自身の役割><身体的負担><精神的負担><介護力・介護技術><介護者自身の健康問題><家族の健康管理><将来への不安><介護者の家族への思い><認知症と疑い始めたきっかけ><介護者の認知症高齢者への思い><相談相手><経済的問題><介護による生活の変化><同居家族の認知症高齢者に対する対応><同居家族の介護者に対する対応><親族の認知症に関する理解><親族の介護者への対応><近所づきあいの支障><他人の目><地域のサポート><地域の状況><サービスの効果><社会資源の活用> の27 のサブカテゴリーと《認知症初期症状への戸惑い》、《介護による家族の問題》、《社会的資源活用の検討》、《将来への不安》の4 カテゴリーが抽出された。<結論>初期認知症者家族の混乱期では、家族が認知機能初期症状に戸惑い、家族や親戚への反応を気にしながら、介護者の健康への不安定さや将来への不安を抱えている。また、経済的問題も含め社会資源の活用、続行を検討していることが示唆された。
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