研究概要 |
本研究は、退院後早期に再入院を繰り返す精神障害者へのM-ICM(現在はICMはCommunity Based Care Management,CBCMと呼ばれ、ICMと同じ意味で用いられているため今後、M-ICMあるいはM-CBCMと呼ぶ)およびIPSのケア・モデルを開発し、その評価を行うことを目的とした。文献検討および海外のケース・マネジメントのスタンダードをもとに日本の精神医療の特徴を反映させて日本文化に応じたM-ICM&IPSのケア・プロトコールを作成し、医療専門職を対象に妥当性の検討を行った。その後、M-ICM(CBCM)およびIPSを35名の介入群とM-ICMの群のみの対照群35名に実施し、その評価を行った。M-ICM(CBCM)およびIPSを実施した介入群(A群)の病状、日常生活機能、社会的機能、QOL,就労率は、M-ICM(CBCM)だけの対照群(B群)より有意に改善がみられていた。しかしA群についても、就労については、福祉的就労のみであり、福祉的就労から一般就労へとどのように移行を促進していくかが、課題として残された。
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