研究概要 |
本研究は,高齢者の日常生活における展望記憶に視点を当てることで,日常生活について把握している家族や身近な者が便用可能な信頼性・妥当性の高い認知症早期発見のための尺度の開発を目的としている。 そこで,本研究は,主に以下の内容・手順で開始したところである。 平成20年度は,研究開始年度であることから,調査対象の検討とその確保から開始した。地域の高齢化率を検討した結果,N市における平均的な高齢化率であるM区の内,商工地域,住宅地域,文教地域等を考慮し,3区域を対象地域とすることとした。続いて,そこに居住する65歳以上75歳未満の高齢者夫婦(いずれも)916組を選挙人名簿から選定した。調査票は,「生活記憶チェックリスト(EMC)」評価13項目を基本に,夫婦個々人に基本属性はもとより,時計描写テスト,食事,排泄,入浴などのADL項目の自立度,手段的自立度,社会活動などで構成されている老研式活動能力指標,趣味や社会活動の日々の実施状況,外出や交流の頻度,合わせて認知症に対する知識,認識,考え等についても把握した。ただし,調査に関して,2年後の継続調査の趣旨を説明し,ID番号の付与ならびに夫婦ペアで調査に承諾した者が回答するよう,個人情報のほど等も合わせて説明し調査への回答依頼を行うこととした。調査票は2週間の留め置き後,郵送にて返送を依頼した。その結果,58%の回収率を得ることができた。た。今後,順次調査票の集計を進めていく予定である。
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