研究概要 |
高齢者ケアニーズの多様化と多職種が協働する際の複雑な人間関係等が介護保険施設で働く看護師のストレスを増強させていることが推察されるが、その実態研究は少なく、対策も不十分であることから、本研究は介護保険施設において看護師がより効果的にストレスマネジメントを実践することができるようになるための教育プログラムの開発を目的としている。本年度は、昨年度のインタビュー調査の結果に基づき、介護保険施設に勤務する看護師が行っていると推察されたストレスマネジメントについて52項目の設問を設定し、基本属性、職場の状況、職務満足度、ストレス反応等について実態調査を実施した。 調査対象は、全国の介護保険施設に勤務する看護師で、データ収集は無記名による自記式質問紙法とし、WAM NET介護事業者情報に登録ざれている全国の介護保険施設から2,000施設を無作為抽出し調査用紙を郵送し、施設長の承諾が得られた場合に看護師に配布してもらい、看護師の自由意思による回答を求め、回収は個別に返送してもらった。質問内容:個人属性、職場の状況、直近1カ月間に感じたストレス反応(20項目;全くなかった~とても強くあったの4段階評定)、職務満足度(7項目;全く満足していない~非常に満足しているの5段階評定)、自作の看護師のストレスマネジメント尺度、SOC等である。調査用紙は、介護老人保健施設、介護老人福祉施設、療養型医療施設等500施設、14,000部を発送し、2,217名から回収され、データ入力を進めている。 現段階では、分析途中であるが、介護法人保健施設の一部からの結果では、直近1カ月間のストレス反応として、疲れやすい、体がだるく力が入らない、動作が鈍い、むかついたり、カッとする等の訴え率が高く、看護師のストレス反応は内省的な抑うつと他者との関係で高まる攻撃的反応が混在し、施設管理の在り方や人間関係と関連している傾向が推察された。
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