研究課題/領域番号 |
20592675
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研究機関 | 愛知県立大学 |
研究代表者 |
百瀬 由美子 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (20262735)
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研究分担者 |
松岡 広子 愛知県立大学, 看護学部, 准教授 (60249274)
藤野 あゆみ 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (00433227)
天木 伸子 愛知県立大学, 看護学部, 助教 (40582581)
赤塚 大樹 愛知県立大学, 看護学部, 教授 (30097654)
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キーワード | ストレスマネジメント / 看護師 / 介護保険施設 |
研究概要 |
高齢者ケアニーズの多様化と多職種が協働する際の複雑な人間関係等が介護保険施設で働く看護師のストレスを増強させていることが推察されるが、その実態研究は少なく、対策も不十分であることから、本研究は介護保険施設において看護師がより効果的にストレスマネジメントを実践することができるようになるための教育プログラムの開発を目的としている。本年度は、昨年度実施した全国調査の分析を中心に行い、看護師のストレス反応とストレッサーの実態を把握した。 調査対象は、全国の介護保険施設に勤務する看護師で、データ収集は無記名による自記式質問紙法とし、WAM NET介護事業者情報に登録されている全国の介護保険施設から2,000施設を無作為抽出し調査用紙を郵送し、施設長の承諾が得られた500施設に、計14,000部を発送し、2,217名から回収された。質問内容は、個人属性、職場の状況、直近1カ月間に感じたストレス反応(20項目;全くなかった~とても強くあったの4段階評定)、職務満足度(7項目;全く満足していない~非常に満足しているの5段階評定)、自作の看護師のストレスマネジメント尺度、SOC等である。 分析の結果、ストレス反応は、因子分析により『不安・抑うつ的反応』、『攻撃的情緒反応』の2因子構造からなることが推定され、「人間関係」「施設管理」に関する満足度と有意な関連が認められた。また、ストレッサーは、院内感染への配慮、認知症高齢者のBPSDへの対応、多職種との人間関係等の報告が多く、それらがストレス反応の合計得点とも有意な関連性が認められた。これらの結果に基づき、ストレッサーを軽減するために高齢者ケアにける感染予防、認知症ケアの知識、効果的なアサーティブネスの実践方法などを含む教育プログラムを開発する必要性が示唆された。来年度は、具体的な教育プログラムを作成し、実施、評価することである。
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