平成20年度は終末期認知症高齢者の緩和ケアプロセスに関する文献レビューを行い、面接調査及び実態調査の構成内容を検討して、面接調査を行い学会発表に向けて準備した。また、海外の施設の視察と聞き取り調査及び情報交換を行った。 1.面接調査は予備調査の結果を検討して半構成用紙を作成し、大阪府下の特別養護老人ホームで看取りを行っている施設と行っていない施設2か所ずつ選定して、看護者及び介護者約20名を対象に倫理的配慮を行って面接調査を実施した。実態調査については面接調査の結果から質問紙の構成と内容を検討して倫理的配慮を行い実施する予定である。 2.面接調査の結果は逐語録にまとめてカテゴリー化し解析を行い、学会発表に向けて準備中である。面接調査から看取りを行っている特別養護老人ホームの看護者と介護者は、認知症高齢者の終末期ケアに対して積極的で学習意欲が高く、認知症高齢者の日常生活上での様々な援助の工夫や設備の配慮がなされていること等が明らかになった。 3.海外における調査では豪州メルボルンの4ケ所の施設を視察した。そして情報交換と聞き取り調査を行った。また、ラトローブ大学老年看護学ロンダ・ネイ教授及びバンズーラエクステンデッドケアセンターの看護専門家達と終末期認知症高齢者の緩和ケアについて情報交換を行った。病院や施設と地域との連携を密にするために看護の経験者によるアドバイザー施設が設けられており、認知症高齢者とその家族ケアに対しての活発な活動内容について知見を得た。その結果は論文にまとめて発表できるよう準備中である。
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