平成20、21年度の調査結果をまとめ、第36回日本看護研究学会学術集会および第30回日本看護科学学会学術集会において、「介護保険施設入所中の認知症高齢者の足・足趾の現状と課題」、「高齢者施設で生活している認知症高齢者の足趾間湿度の現状とフットケアの課題」としてまとめ、公表した。公表内容に関しては、現在、投稿準備中である。 高齢者施設入所中の認知症高齢者の足の実態把握ができたため、次の段階として、その現状をケア提供者である看護師・介護士がどのように捉えているか、現場でのフットケアの現状と課題について、現在、ケア提供者側からの課題抽出のための調査中である。複数の高齢者施設の看護師・介護士との意見交換を行いながら、現場での認知症高齢者ケアおよび身体的状態の現状を把握し、調査実施施設を継続的に経過を観察し評価できる特別養護老人ホームとした。しかし、特別養護老人ホームは、入所時に足のトラブルがあるケースが多く、ケアによる効果の評価が困難であることも予測された。このことも含め、複数の特別養護老人ホームの看護師および介護士に、入所高齢者の足の現状調査の結果をスライドを用いながら説明し、その後、その現状をどのように捉えたかを自由に語っていただくとともに、各施設の現状と看護師・介護士のフットケアに関するニーズ、どのような課題を抱えているか、現場で実践可能な改善策についても、職種別のグループインタビューを設定し、調査中である。23年度も継続して調査を行い、ケア提供者側からの課題を明らかにし、日常の生活ケアの一貫として、ケア提供者が認知症高齢者の足を無理なく、簡便に、かつ、的確にアセスメントできる指標の試案作成に繋ぐ予定である。ケア提供者側の調査は、グループインタビューと質問紙調査により、22、23年度の複数年計画での実施を進めているため、本調査の結果は、23年度にまとめる予定である。
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