1.薬物依存症者の家族6名に半構造化インタビューを実施した。属性は男性2名、女性4名、平均年代は57.8歳。薬物依存症者との関係は父親2名、母親4名。最終学歴は4年制大学以上1名、短大・専門学校1名、高等学校3名、中学校1名。職業は自営業2名、主婦2名、行政書士1名、会社員1名であった。保育士資格を有している者が2名いた。家族会への平均参加期間は約9.2年で、本人の薬物使用発覚から家族会へ参加するまでの期間は約3.2年、薬物使用発覚から始めて相談し、本人が治療を受けるまでに期間は約1.7年であった。家族会への紹介経路は医療機関3名、インターネット2名、警察1名であった。薬物依存症者の属性は男性6名、女性0名。使用薬物は覚せい剤、大麻、処方薬、市販薬、シンナー等1人が複数の薬物を使用していた。平均年齢は約33.8歳。最終学歴は高等学校3名、中学校3名。婚姻状況は未婚6名。現在は回復施設入寮中3名、回復施設スタッフ1名、作業所で就労準備中2名であった。2.インタビューから以下のことが分かった。(1)生い立ちは同胞なし1名、同1名が2名、同2名が1名、同11名が1名であった。父母は働き手、子育てに熱心な者が多かった。アルコール依存症を家族にもつ者が2名いた。溺愛された者2名、教育熱心に育てられた者2名いた。(2)仕事は、最終学校卒業後全員仕事に従事している。家業を継ぐもの2名、保育士2名、デパート店員1名、工場勤務1名だった。(3)結婚は20歳前後に配偶者と出会い結婚している。再婚者は2名いた。(3)薬物問題発覚から現在まで、1)パニック、否認あり、なぜうちの子が薬物を使用したか、裏切られた。2)世間体を気にして家族だけで薬物問題(薬物使用の道具を捨てる、部屋を監視する、借金、犯罪など)の解決を図った。薬物を止めるよう本人を説得した。3)家族も病気になった(不眠、不安など)。4)どん底の苦しみを味わった。希死念慮を持った。生きることも死ぬこともできないほど苦しんだ。5)本人に関わらなくなった、本人を家から出す、家族が家を出た。家族会に参加して仲間の回復をモデルとしてみる。6)本人と家族はそれぞれ個を重んじ独立して回復している。
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