研究概要 |
平成22年度の研究においては,潜在看護師の自己効力感を強化する訪問看護継続教育プログラムを実施し,評価することを目的とした。対象は,教育プログラムに参加を希望した11名である。教育プログラムは6時間で,訪問看護への再就業を促進するプログラム内容とした。成果変数は,「訪問看護実践効力」,「訪問看護に関する一般知識(15点満点)」,「訪問看護への就業意欲」の3点とし,プログラム前,後の測定を行った。比較群として,教育プログラムに参加していない潜在看護師15名を抽出した。プログラム参加者の属性は、平均年齢38.7±7.5歳,就業中5名(41.7%),就学中4名(33.3%),無職3名(25.0%)であった。プログラム後の就業意欲は、あり5名(41.7%),ややあり1名(8.7%),どちらともいえない4名(33.3%),ややなし1名(8.7%),なし1名(8.7%),であり、プログラム後の知識得点は12.7±0.3点であった。介入群の「訪問看護実践効力」「訪問看護に関する一般知識」「訪問看護への就業意欲」は、プログラム前後で対応のあるt検定において有意な差は認められなかった。また、対応のないt検定の結果においても,成果変数の得点変化に2群間で有意な差は認められなかった。しかしながら、就業への関心の継続及び知識の定着は認められた。さらに、参加者11名の内、3名が訪問看護事業所に再就業するに至った。今後看護師養成校が拠点となることで、学習環境や再就業支援体制整備ができる可能性が示唆された。以上から、本プログラムは再就業支援として一定の成果を得ることができたと思われる。
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