研究課題/領域番号 |
20592696
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研究機関 | 宇部フロンティア大学 |
研究代表者 |
奥田 泰子 宇部フロンティア大学, 看護学部, 准教授 (30330773)
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研究分担者 |
河野 保子 宇部フロンティア大学, 看護学部, 教授 (80020030)
大槻 毅 流通経済大学, スホーツ科学部, 准教授 (20375372)
棚崎 由紀子 宇部フロンティア大学, 看護学部, 助教 (50461356)
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キーワード | 高齢者 / 入浴 / 動脈スティフネス |
研究概要 |
本研究は、高齢者の入浴事故を未然に防ぐために、高齢者にとって安全な入浴システムを開発することである。 高齢者の入浴による生理作用への影響を実験的に明らかにし、そのデータから入浴中の循環変動を予測する重回帰式を得た。入浴前に測定したバイタルサインや個人特性(年齢・BMI等)を重回帰式に代入し入浴可否を判断するシステムを開発した。昨年度、そのシステムの利用可能性を検証するために、3名の女性高齢者を対象に縦断的に実験研究を行い、今年度は、昨年1年間で得たデータを分析し、システムの利用可能性を検討した。 夏期と冬期で外気温に大きな差があったが循環変動の違いは認めなかった。心理的変化による循環変動の違いも認めなかった。従って、開発したシステムを活用し、入浴前のバイタルサインほか個人特性を用いて入浴中の循環変動を予測することが可能であり、入浴での急激な循環障害による事故を未然に防ぐ一助となる。しかし、本検証実験で得られたデータは3名の高齢女性であり、さらに地域で生活する健常高齢者である。このように対象者に偏りがあり、本システムを高齢者一般に適用することには無理があるが、従来、入浴前に測定したバイタルサインは看護・介護士の経験的判断で入浴可否の指標とされていたことを鑑みると、本システムにより客観的数値を根拠に入浴可否を判断することが可能になったことは意義があると考える。 以上のように、今年度の活動は、実験データを分析するとともに、論文投稿や学会での発表により研究成果を広く社会に公表することに努めた。また、研究成果報告書を作成し、関係機関に配布した。
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