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2009 年度 実績報告書

新規サイトカインIL-35の歯周病態への関与とその治療応用に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 20599020
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

小越 菜保子  兵庫医科大学, 医学部, ポストドクター (60509115)

研究分担者 大山 秀樹  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (90280685)
寺田 信行  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (50150339)
中正 恵二  兵庫医科大学, 医学部, 准教授 (00217712)
山田 直子  兵庫医科大学, 医学部, 講師 (10319858)
山根木 康嗣  兵庫医科大学, 医学部, 助教 (00434944)
キーワードIL-35 / 歯周病 / ヘルパーT細胞 / Th17細胞 / Treg細胞
研究概要

本研究の目的は,IL-35の歯周病態への関与を明らかにし,さらにその応答性を人為的に調整する可能性を評価することである。昨年度は,様々な病型の歯周病患者を対象として,歯周外科手術実施時に炎症および組織破壊の程度が異なる歯周病巣局所から歯肉サンプルを採取し,IL-35発現を定量した。IL-35分子Epstein-Barr virus-induced gene 3(EBI3)とIL-12p35の2量体からなるため,それぞれの分子をターゲットとしてEBI3,IL12A遺伝子のmRNA発現をリアルタイムRT-PCR法を用いて定量解析した。その結果,多くの歯周病患者の病巣部では健常部と比較してEBI3,IL12Aともにその発現量が高い傾向が見られた。このことから,IL-35が歯周病の病態に関与する可能性が示された。今年度は,これらの歯周病歯肉でTh17,Treg細胞および,Th1,Th2細胞の分化誘導に関わるサイトカイン群の遺伝子発現プロファイルを調べた。その結果,Th17細胞の誘導に関わるIL-23およびそのレセプターであるIL23RのmRNA発現が病巣部において健常部と比較して高いこと,Th1細胞の誘導に関わるIL-12のレセプターである
IL12RB2の発現が病巣部に比較して健常部で高いことが明らかとなった。このことは,Th17細胞が歯周病巣において組織破壊に関わる可能性を示唆している。IL-35はIL-23およびIL-12のサイトカインファミリーの一つであるが,その産生細胞は抗原提示細胞のみでなく,T細胞であることが明らかにされている。そこで歯周病の病巣局所において集積するT細胞のIL-35産生性を評価するために,歯周病患者から病巣部歯肉と末梢血を採取し,それぞれに含まれるT細胞が産生するIL-35レベルを定量する実験系を確立した。今後この実験系を用いて各サンプル群間を比較することによって,IL-35の歯周病態への関与および,組織破壊あるいは防御に関わる免疫機構を明らかにしていく予定である。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] HLA-II-induced cytokines from human gingival fibroblasts promotes proliferation of human umbilical vein endothelial(HUVEC)cells : potential association with enhanced angiogenesis in chronic periodontal inflammation2009

    • 著者名/発表者名
      Yuka Okada
    • 雑誌名

      Journal of Periodontal Research 44(1)

      ページ: 103-109

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The involvement of IL-23 and Th17 pathway in periodontitis2009

    • 著者名/発表者名
      Hideki Ohyama
    • 雑誌名

      Journal of Dental Research 88(7)

      ページ: 633-638

    • 査読あり
  • [雑誌論文] An unusual autopsy case of pyogenic liver abscess caused by periodontal bacteria.2009

    • 著者名/発表者名
      Hideki Ohyama
    • 雑誌名

      Japaness Journal of Infectious Diseases 62(5)

      ページ: 381-383

    • 査読あり
  • [学会発表] 歯周病細菌感染に起因したと考えられる化膿性肝膿瘍の1剖検例2009

    • 著者名/発表者名
      大山秀樹
    • 学会等名
      第129回日本歯科保存学会秋季学術大会
    • 発表場所
      札幌
    • 年月日
      2009-06-12
  • [学会発表] 歯周病病態形成におけるIL-23/IL-17産生系の関与2009

    • 著者名/発表者名
      大山秀樹,小越菜保子,西村英紀,山根木康嗣,橋谷進,木崎久美子
    • 学会等名
      第52回春季日本歯周病学会学術大会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2009-05-15
  • [学会発表] IL12RB2転写制御領域の多型はT細胞とNK細胞との間で異なった影響を及ぼす2009

    • 著者名/発表者名
      大山秀樹
    • 学会等名
      第96回日本病理学会総会.
    • 発表場所
      京都
    • 年月日
      2009-05-03
  • [図書] 月刑「歯界展望」別冊 エンド難症例 メカニズムと臨床対応2009

    • 著者名/発表者名
      恵比須繁之編
    • 総ページ数
      176
    • 出版者
      医歯薬出版

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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