今年度は、高等教育のアウトカムとして最近、重要視されてきたジェネリックスキル、特に知的能力の研究を行った。また、OECDのAHELOに関する専門家会合に出席したり、アウトカム重視を国の高等教政策の要として導入している、香港、アイルランドの大学を訪問し、アウトカムの設定の手順、育成の方法、そしてアセスメントのさまざまな方法について調査を行った。 知的能力のうち、批判的思考能力、問題解決能力、文書作成力については、アメリカのCLAを対象に調べ、また、アウトカムアセスメントの第一人者である、Peter Ewell博士に面談し、アメリカにおけるCLAも含むアウトカムアセスメントの動向について、聞き取り調査を行った。 次に、香港やアイルランドの大学を訪問した際には、ワークショップに参加し、大学共通のジェネリック・アトリビュートの設定の仕方、それを育成する多様な教授法、とりわけアクティブ・ラーニングの活用、そして、テスト、ポートフォリオなど、多様なアセスメントの方法を用ちいることの重要性を学んだ。 来年度は、最終年度であるので、より具体的な事例を研究し、ラーニングアウトカム-カリキュラムや教授法-アセスメントの3つの関係について、体系的な理論の構築を試みる。
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