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2009 年度 実績報告書

臨床におけるプラシーボ使用の現状と社会的合意形成

研究課題

研究課題/領域番号 20601003
研究機関帝京大学

研究代表者

小松 明  帝京大学, 医療技術学部, 教授 (80075423)

研究分担者 田中 美穂  東邦大学, 医学部, 助教 (80385567)
キーワードプラシーボ / プラセボ / 医療倫理 / インフォームド・コンセント / 自律性の原則 / 社会的合意形成
研究概要

21年度は医師を対象にプラセボ治療の現状と医師の考えをアンケート調査した。全国の300床以上の病院922施設および東京の20床以上300床未満の病院267施設にアンケート用紙を郵送し、内科系と外科系の病棟責任者から回収した(回収率は12.4%)。回収率が低いので、以下では回答者数と割合(%)を併記する。プラセボ実施経験は個人として129(43.7%)が有しており、今も実施している28(22.4%)であった。現在勤務中の病棟において過去1年間に実施しているは35(13.0%)であった。プラセボ実施の状況は、「患者の訴えが心理的要因に基づくと推定された」35(97.2%)、「実薬を使うと患者に害が及ぶ可能性がある」8(22.2%)(複数回答)であった。カルテへの記載は義務づけている17(47.2%)、義務づけていない18(50.0%)であった。実施に際して医師による説明あり6(17.1%)、説明なし14(40.0%)、場合による15(42.9%)であった。また、患者側の同意あり9(25.7%)、同意なし17(48.6%)、場合による9(25.7%)であった。実施についてのガイドラインはない31(83.8%)「ガイドラインはないが医師間で合意ができている」6(16.2%)であった。150(52.4%)が「プラセボ治療の実施の判断は医師の裁量である」、98(34.3%)が「患者からインフォームドコンセント(IC)を得られないプラセボ治療はできない」と捕らえていた。医師法第22条1項はプラセボ治療を法的に認めているとする解釈に賛成123(42.1%)、反対46(15.8%)、どちらとも言えない123(42.1%)であった。ICを重視することでプラセボ治療に制限が課されることに賛成92(32.2%)、反対78(27.3%)、どちらとも言えない116(40.6%)であった。このようにプラセボ治療に関しては医師間でも意見が分かれており、社会的合意形成を図るに際して、医師は医師会、学会等で討議し、意見を集約することが望まれる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2009

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] 看護師のプラシーボ与薬の経験とそれにまつわる意識の全国調査2009

    • 著者名/発表者名
      田中美穂・小松明
    • 学会等名
      第29回日本看護科学学会学術集会
    • 発表場所
      千葉
    • 年月日
      2009-11-28
  • [学会発表] 臨床におけるプラシーボ使用の現状-全国300床以上の病院の看護師に対するアンケート調査2009

    • 著者名/発表者名
      小松明・田中美穂
    • 学会等名
      日本生命倫理学会第21回年次大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-11-15
  • [学会発表] 看護師にとってのプラシーボ与薬実施に伴う問題(公開シンポジウムM:看護実践に伴う倫理的問題)2009

    • 著者名/発表者名
      田中美穂
    • 学会等名
      日本生命倫理学会第21回年次大会
    • 発表場所
      横浜
    • 年月日
      2009-11-14

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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