小型DRGニューロンに特異的に発現しているNaV1.9電流のピーク値が経時的に数倍以上に増大し、その後に減少する現象(キンドリング)の調節メカニズムの詳細は不明である。そこで本研究では、キンドリングに対する細胞内環境変化の影響について検討した。キンドリングは、細胞内ATP(3mM)存在下においてほぼ完全に抑制されることが見出された。一方、GTP(500μM)およびPMA(100nM)存在下ではキンドリングの抑制は認められなかった。この事より、細胞内ATPが枯渇するような神経障害時にはNaV1.9電流が増大し、神経細胞の興奮性に対して促進的に作用することが示唆された。
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