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2010 年度 実績報告書

プロスタグランジン受容体EP3を介したブラジキニンB2受容体の脱感作減弱機序

研究課題

研究課題/領域番号 20602007
研究機関金城学院大学

研究代表者

小崎 康子  金城学院大学, 薬学部, 准教授 (20126882)

キーワードプロスタグランジンEP3受容体 / ブラジキニンB2受容体 / 脱感作 / 痛覚過敏 / インターナリゼーション
研究概要

内因性痛み物質であるブラジキニン(BK)を繰り返し投与するとBKB2受容体(B2R)の脱感作がおこる。プロスタグランジンE2はEP3受容体(EP3R)を介してこの脱感作を減弱し、結果として痛みの増強をおこす。本研究は、このEP3Rの活性化がB2Rの脱感作の減弱を導く細胞内メカニズムを解明することを目的としたものである。
緑色蛍光タンパク質(GFP)で標識したB2RとEP3Rを共発現したCHO細胞において、細胞膜部分に存在するGFP-B2Rは、BK投与4~10分後に減少し、この減少がEP3Rアゴニスト(ONO-AE-248)によって抑えられる、すなわち、B2Rが細胞膜部分に留まるように見えることを先に報告した。
BKはB2Rと結合して、B2Rとともに細胞内へ移行するので、細胞内移行したBKの総量は、BKと結合して細胞内に入ったB2Rの延べ量を反映すると考えられる。そこで、GFP標識B2RとEP3Rを安定的に発現するCHO細胞において、^3[H]BK(4nM)を15分間投与した場合の^3[H]BKの細胞内移行に対するONO-AE-248(1μM、5分間)の影響を調べた。また、受容体インターナリゼーション阻害作用が知られるコンカナバリン(Con)A前投与(0.5mg/ml、15分間)の場合の影響も調べた。
BK投与後のB2Rの細胞内移行は、ConA前投与により顕著に減少したが、ONO-AE-248投与により、その減少が減弱した。ConAは、B2Rの細胞内移行を阻害するが、EP3Rアゴニストは、B2Rの細胞内移行と細胞膜へのリサイクリングを促進する作用があることが分かった。プロスタグランジンはEP3Rを介してB2Rの細胞内移行とリサイクリングの両方を促進することによりBK反応を増強する可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] A possible role of prostaglandin in the recycling of internalized bradykinin B2 receptor through EP3 receptor. (Abstract)2010

    • 著者名/発表者名
      Kozaki, Y., Suzuki, Y., Katanosaka, K., Mori, M., Mizumura, K.
    • 雑誌名

      Neuroscience Research

      巻: 68(Suppl.1) ページ: e162

  • [学会発表] プロスタグランジンEP3受容体の活性化による内在化ブラジキニンB2受容体の細胞膜へのリサイクリングの促進2011

    • 著者名/発表者名
      小崎康子、鈴木義明、片野坂公明、森雅美、水村和枝
    • 学会等名
      日本薬学会第131年会
    • 発表場所
      静岡
    • 年月日
      20110300
  • [学会発表] プロスタグランジンはEP3受容体を介して、内在化したブラジキニンB2受容体のリサイクリングに作用する可能性がある2010

    • 著者名/発表者名
      小崎康子、鈴木義明、片野坂公明、森雅美、水村和枝
    • 学会等名
      第33回 日本神経科学会
    • 発表場所
      神戸
    • 年月日
      2010-09-02
  • [備考]

    • URL

      http://www.kinjo-u.ac.jp/kozaki/index.html

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公開日: 2012-07-19  

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