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2010 年度 実績報告書

神経因性疼痛発現維持機構の解明を目的としたプロテオミクス研究

研究課題

研究課題/領域番号 20602015
研究機関関西医科大学

研究代表者

片野 泰代  関西医科大学, 医学部, 助教 (60469244)

研究分担者 松村 伸治  関西医科大学, 医学部, 講師 (70276393)
キーワード神経因性疼痛 / CaMKII / SNIモデル / NMDA受容体 / NR2B / AMPA受容体 / GluR1
研究概要

本研究は、慢性疼痛発現維持機構の解明を目的としたプロテオミクス解析と、細胞内での機能性分子の解析を行うものである。侵害刺激は、脊髄後角でシナプスを形成し、二次ニューロンを介して脳へと伝達され、「痛み」として認識される。このシナプスでの反応様式の変化や構成が増大する可塑的変化により神経因性疼痛が発症することから、神経因性疼痛モデルマウスの脊髄後画の後シナプス肥厚部(PSD)画分を用いた解析を実施してきた。申請者らのグループはNR2Bの1472番目のTyr残基(NR2BY1472)のリン酸化が神経因性疼痛の発現に重要であることを明らかにしている。よって、NR2BY1472をPheに置換したノックインマウス(NR2BY1472FKI)と野生型マウスの両方を用い、そのリン酸化の下流における機能性分子を同定し、機能解析を通して慢性疼痛の発現機序を明らかにしようとするものである。これまでに、NR2BY1472FKIで神経因性疼痛モデル、Spared nerve injury(SNI)モデルを作製し、野生型との両方から腰部脊髄後角PSD画分を精製し、iTRAQ法を用いた解析でSNIにより発現の増加する分子(野生型30、KI型22)群を見いだし、NR2B Y1472のリン酸化に重要な分子として2分子に焦点を当てノックアウトマウスの作製を開始した。
さらに、PSDに多く存在するリン酸化酵素であるCaMKIIの活性化をin vivoで評価し、その活性化が痛みの発現に必要であることをCaMKIIの選択的阻害剤を腰部髄腔内に投与し明らかにした。また、末梢神経損傷によって活性化したCaMKIIの標的分子がAMPA受容体のサブユニットの一つであるGluR1の831番目のSerであることを明らかにした。リン酸化を介したAMPA受容体の活性化が神経因性疼痛の発現維持に必要であることを示し、本成果を論文に発表した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Involvement of spinal phosphorylation cascade of Tyr1472-NR2B, Thr286-CaMKII, and Ser831-GluR1 in neuropathic pain.2011

    • 著者名/発表者名
      Katano T, Nakazawa T, Nakatsuka T, Watanabe M, Yamamoto T, Ito S
    • 雑誌名

      Neuropharmacology

      巻: 60 ページ: 609-616

    • 査読あり
  • [雑誌論文] A novel role of prostaglandin E_2 in neuropathic pain : blockade of microglial migration in the spinal cord.2011

    • 著者名/発表者名
      Kunori S, Matsumura S, Okuda-Ashitaka E, Katano T, Audoly LP, Urade Y, Ito S
    • 雑誌名

      Glia

      巻: 59 ページ: 208-218

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Reversal of inducible nitric oxide synthase uncoupling unmasks tolerance to ischemia/reperfusion injury in the diabetic rat heart.2011

    • 著者名/発表者名
      Okazaki T, Otani H, Shimazu T, Yoshioka K, Fujita M, Katano T, Ito S, Iwasaka T
    • 雑誌名

      J.Mol.Cell.Cardiol.

      巻: 50 ページ: 534-544

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Impairment of CaMKII activation and attenuation of neuropathic pain in mice lacking NR2B phosphorylated at Tyr1472.2010

    • 著者名/発表者名
      Matsumura S, Kunori S, Mabuchi T, Katano T, Nakazawa T, Abe T, Watanabe M, Yamamot T, Okuda-Ashitaka E, Ito S
    • 雑誌名

      Eur.J.Neurosci.

      巻: 32 ページ: 798-810

    • 査読あり
  • [学会発表] 神経因性痺痛における脊髄後角でのリン酸化シグナルカスケード2010

    • 著者名/発表者名
      片野泰代、中澤敬信、渡辺雅彦、山本雅、伊藤誠二
    • 学会等名
      第83回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸・国際会議場/神戸ポートピアホテル
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [学会発表] 精巣に特異的に発現するmovo遺伝子の精子形成に関する解析2010

    • 著者名/発表者名
      地崎竜介、矢尾育子、片野泰代、松田公志、伊藤誠二
    • 学会等名
      第83回日本生化学会大会
    • 発表場所
      神戸・国際会議場/神戸ポートピアホテル
    • 年月日
      20101207-20101210
  • [備考]

    • URL

      http://www3.kmu.ac.jp/medchem/index.html

URL: 

公開日: 2012-07-19  

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