我々は平成20年度において超過死亡率を算出する方法で検討を行い、2004-07年において明らかな超過死亡を認めなかったことを確認した。さらに2カ所でインフルエンザ患者サーベイランスおよび重症急性肺炎による入院者サーベイランス研究を実施した。2008-2010年の2シーズンでは、パンデミック(H1N1)2009によって前年と比較すると約5-6 倍のインフルエンザ様疾患の報告例の増加がみられた。その年齢構成をみると1 ヵ所では全年齢層において報告例の増加を認めている一方で、別なサイトではその増加の中心は小児に限定しておりモンゴル国においてはパンデミック時も観察地域においては小児における罹患が流行の中心であり、それに伴う入院率および罹患率の増加が見られるものの、死亡数の増加にはつながらないことが明らかとなった。
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