研究概要 |
食事や栄養に関わる公衆衛生活動は,身体計測や食事調査,あるいは身体活動調査を通じて対象者の状態を継続的にモニタリングし,その結果をふまえて指導や活動の計画を立てることが必要であり,周辺環境が急激に変化する地域では特に重要である。そのためには調査に関わるスキルが必須であり,その国や自治体のスタッフが主体的に行うことが個人情報の保護の点からも望ましい。本研究は現地スタッフへのトレーニングを通し,継続的に調査,研究が遂行できる能力を身につけることを目的の一つとした。本研究が終了した後でも持続的に調査研究,あるいは調査で得たデータを利用することで,対象地域の公衆衛生活動が効果的に継続できることが理想である。 対象とする地域は現在急速に近代化が進むラオス人民民主共和国である。ラオス国内でも特にサワンナケート州は,2007年初めにラオスータイ間に第二友好橋が開通し,飛躍的な物流量の増加とそれにともなう近代化が加速し,結果として周辺環境が急激に変化することが予測される。上述の通りラオス国内のスタッフによって生活習慣(生活活動と栄養状態)と子どもの成長に関するデータを集め,近代化が子どもの成長に与えるインパクトを評価することが本研究の目的の一つである。 平成20年度は調査の体制を作り,調査体制の決定後予備調査を行った。渡航先での受け入れ担当機関(NIOPH)と,調査対象地の選定,トレーニングするスタッフへの依頼,そして対象地での調査協力体制を含めた綿密な打ち合わせ,調査に関する事務手続きを行った。
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