研究課題/領域番号 |
20603004
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
池田 克巳 武庫川女子大学, 薬学部, 教授 (80273499)
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研究分担者 |
安井 菜穂美 武庫川女子大学, 薬学部, 助教 (70399145)
根岸 裕子 奈良女子大学, 大学院・人間文化研究科, 助教 (50523841)
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キーワード | 食塩感受性高血圧 / アフリカ人 / 至適血圧 / 環境因子 |
研究概要 |
既におこなった食塩感受性研究結果では、(1)腎血流調節・濾過機能が食塩感受性のある人で、劣っていること、(2)メチル・アルギニンの血中濃度が食塩感受性で異なること、(3)アンジオテンシン変換酵素(ACE遺伝子I/D多型)とアルドステロン合成酵素(CYP11B2遺伝子C-344T多型)の遺伝子型の組み合わせで、尿量等が変化すること等が確認された。即ち、食塩感受性には、腎ナトリウム再吸収過程におけるインチャンネル、一酸化窒素産生能、レニン・アンジオテンシン-アルドステロン系による水分調節機構等の関与が考えられる。 また、血圧値は正常範囲でも至適血圧、正常血圧、正常高値と分類されているが至適血圧を示したアフリカ人青年でも食塩感受性があることを観察し、その変化と心拍数の関係を発表した。至適血圧アフリカ黒人青年では食塩摂取による血圧の変化が認められたが、血圧の変化量には心拍数が関与している可能性が示唆された。心拍数決定には交感神経が関与している。現在、動物実験で報告されている食塩摂取がもたらす交感神経亢進による、ヒストンを介したNa排泄をうながす遺伝子WNK4の動きについて、十年後の至適血圧アフリカ黒人青年を対象に血圧値とともに検討していきたい。また塩分摂取を含めた環境因子が遺伝子発現に影響を与える点について今後検討して行きたい。
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