(1)(目的) 本研究の目的は、現代における対テロ体制と治安体制を備えた国家構造のありかたを探ることであった。この点で特に先進的な国家構築を行っているイギリスの現状を調査して日本にとっての参考点を明らかにすることであった。 (2)(内容) 梅川と倉持はイギリスの治安国家の現状を解明する作業を行ってきた。その結果、従来の冷戦構造を持っていた安全保障体制が、世界のテロを抑制することを目的とした体制に変化してきていることを明らかにしてきた。イギリスは、この国家防衛戦略の転換を行うことを基本として治安や警察さらには検察と裁判制度の改革を行っている。しかも、太田が研究してきたように、英国の治安体制はEUの安保体制と結合している。これを参考にして日本の国家体制を整備すると、国家の安全保障、治安制度、裁判制度などの抜本的な見直しが必要となる。この点を渡名喜が研究してきている。
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