具体的内容:(1) 事例収集 回想法に取り組んでいる博物館等において聞き取り調査を行った。(2) 「思い出シート」の作成「思い出シート」とは、ふとしたことでよみがえる懐かしい思い出を記録したものであり、昨年度から継続して収集を行っている。21年度はより簡便に記録することができるよう改良版を考案した。(3) 情報発信 平成21年6月4日、筑紫女学園大学公開講座において「思い出のチカラー~地域博物館と回想法~」を講演した。また同年12月6日、日本民具学会第34回大会(於京都造形芸術大学)においてグループ発表「民具を活用した地域博物館における回想法」(発表者:葛空紀行、福西大輔、土井孝則、岩崎竹彦)を行い、同グループ発表の企画及びコーディネートを担当した。 意義、重要性等:博物館の回想法事業は博物館及び学芸員の関与の在り方によって3タイプに分類が可能であり、タイプごとのメリット、デメリットを明らかにするとともに、回想法で活用する資料を博物館資料から切り離す際の基本的な考え方を不した。また講演や学全発表において、博物館が回想法に取り組むことで生まれるメリットは、博物館振興につながること、民具の歴史的・文化財的価値の向上につながること等を提示し、文化と福祉のコラボレーションの推進を図った。さらに今後博物館が近現代の生活・技術に関する資料を収集する際、どのようなモノを博物館資料として未来に伝えていくべきなのか、その基準を作成することが必要となり、我々の「記憶」「思い出」か有用な材料であることを提案した。
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