1、本学五高記念館において「ちょっと昔のくらし探検」展を開催した。出陳資料は高度経済成長期以前の生活道具及び生業用具等であり、小学校学習指導要領(社会科)に対応したものである。展覧会の期間中、本学学芸員課程の受講生を対象に詳細なアンケート調査を実施した。目的は現代の出陳資料に対する認知度をはかるためである。また、同学生を対象に「50年後に伝える現代の暮らし」と題し、身の回りの生活道具等の写真撮影並びに使い方等をレポートしてもらい、それらをカード化した。目的は現代を象徴する生活道具を把握するためである。 2、これまでの研究から、過去を振り返って我々が「懐かしい」「あの頃はよかったな」と感じる時期、年代は共通しているのではないかと考えるに至り、博萌会(熊本博物館ボランティア団体)の協力を得てアンケート調査を行った。予想通り少年期から成人期に至るまでという回答が多く見られたが、事例数が十分ではないので、今後もこのアンケート調査は継続する予定である。 3、22年度も引き続き「思い出シート」の収集を実施し、3年分の編集を行った。詳細な分析は報告書に委ねたい。 4、回想法を実施している博物館の調査事例をもとに、博物館の関与の在り方によって3タイプに分類し、各タイプの長所と短所を分析することで、望ましい博物館の関与の在り方を報告した。また、これまでの回想法研究を通して、博物館が近現代の生活文化資料を収集する上での問題点、着眼点等を報告した。
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