1.フィールドミュージアム (1)後藤新平の構想とその後-「第一次発電水力調査」を軸として、(2)近代の電力事業における「民」「官」「学」の役割に関する考察-「瀑布」式発電にかかわる2事例:広発電所および「白糸の滝」周辺の発電所施設群を対象として:近代化遺産を事例として歴史的検討を行い、遺産の新たな歴史的価値を明らかにした。 2.大学博物館と学芸員教育 自校教育の場としての大学博物館-日本大学理工学師科学技術史料センター(CST MUSEUM)での実践例:動機付けとしての事前アンケート後、先人に関する史資料に直接ふれ、それを題材にレポート作成を行う実習形式の自校学習プログラムを考案。CST MUSEUMにおいて10名の実習生が、理工学部の創設や発展に尽力した3人の先生(佐野利器:建築、大山松次郎:電気、木村秀政:航空)に着目して、本プログラムを実施した。事前アンケート及びレポート分析結果から、"自校教育の場としての大学博物館"における本プログラムの有効性を示した。 3.公開議座の実施とアンケート調査 (1)伊東「日本の近代化遺産とCST MUSEUM」:近代化遺産概念の解説、日大駿河台・船橋キャンパスの近代化遺産と遺構、CST MUSEUM所有の近代化遺産の意義と役割等について紹介。大学や周辺地域にも近代化遺産があり、それを意識させることで通学や生活の場がフィールドミュージアムになり得ることを、アンケート調査によって明確にした。 (2)重枝「サイトミュージアムの提案-ベトナムでの世界遺産つくりから博物館の建設まで」:重枝がミーソン遺跡を調査し、世界遺産へと認知させる経緯、ミーソン遺跡理解のためにつくられたサイトミュージアムの趣旨や展示内容の紹介。「サイトミュージアム」という新形態のミュージアムによって、市民の遺跡や地域への関心と理解がより高まることが、アンケート調査から判明した
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