研究概要 |
本年度では下記に示す事項について研究を行った. (1)多様な資料情報を画像化する手法の検討:情報エンコード手法の詳細検討 多様な歴史資料情報を管理するためのワークフロー及び省力化されたデータベース構築手法を検討した.資料情報の画像化,2次元バーコード化,さらにAR (Augmented Reality)技術を応用し,ARマーカという形態で情報をエンコードする手法を検討した. (2)画像化された情報源から所望情報を抽出する手法の検討:情報デコード手法の詳細検討 2次元バーコードは単独使用だけでなく,資料画像と合成結果を携帯電話で読解する手法を検討した.ARマーカでエンコードされた情報は,カメラとプロジェクタを応用したシステムによってデコードする手法の検討に使用した. (3)プロトタイプの運用と改善 これまの研究で開発したプロトタイプの安定性を改善し,カメラとプロジェクタから構成される卓上型資料閲覧プロトタイプを構築した.情報取得及び提示手法としてAR技術を応用し,博物館来館者に対するユーザインタフェイスと情報提示手法について研究した. (4)実証実験 利用者によるプロトタイプの評価実験を行い,その効果について検討した.プロトタイプの応用事例としてコンテンツ制作方法の検討に活用し,コンピュータプログラムを改変することなく別バージョンのコンテンツに改変するための手法を検討した.これらの実証実験の結果を通して,本実験で検討した手段及び機能を活用することで,コンピュータプログラミングに詳しくないコンテンツ制作者であってもシステムの構築と改修を行えるようにして,一度導入したシステムが一過性のものとならないようにするための検討を行った.
|