研究課題/領域番号 |
20605018
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研究機関 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 |
研究代表者 |
大島 光春 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (40260343)
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研究分担者 |
田口 公則 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部兼学芸部, 主任学芸員 (70300960)
広谷 浩子 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (10205099)
石浜 佐栄子 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 学芸員 (60416047)
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キーワード | 子ども / 自然史 / 展示 / 体験 |
研究概要 |
本研究では対象を特に"子ども"に絞って、展示という博物館がもっとも得意とするメディアを活用して、自然への興味を喚起する方法を研究し、自然史博物館にふさわしい展示を開発することを目的とする。子どもとフィールドとを結び、自然史科学への入り口となるような展示プランを作成して成果とする。 H22年度は国内の他博物館における"子どものための展示"事例調査を継続し、各館の方向性や手法を検討した。また、21年度に続いて、当館特別展「日本列島20億年-その生い立ちを探る-」において、体験的展示を試行した。 事例調査では、ロンドン、パリ、ブリュッセルの国立自然史博物館と科学館をはじめ、国内の博物館・科学館において、展示および教育活動について視察した。H20年に北米を視察したことと比べて、運営からデザイン、特に子どものための展示では欧州にアメリカ風のものが導入されつつあるように感じた。また、科学の現場の高揚感をより印象深く伝えられるような展示を作るため、JAMSTECの相模湾広報航海や早稲田大学の平山教授が行っている化石発掘調査に参加し、その結果を速報として展示した。生物系展示については、学校やサイエンスフェスティバルなどでの出張展示で、動物の標本を呈示して子どもたちの反応を観察した。これによって実際の展示を作るために必要な情報を得ることができた。 当館特別展「日本列島20億年-その生い立ちを探る-」では、日本列島が、異なる時期の付加帯や変成岩体が帯状あるいはブロック状になったものの集合として成り立っていることを、ダイヤブロックを使って表現し、理解を助ける試みとした。また、日本地図をブロックで表現する体験コーナーをつくり、子どもを中心とするたくさんの入館者に日本地図を作ってもらった。このような体験より、入館者を引きつけること、理解を助けること、親子のコミュニケーションを促すことに有効な展示となった。
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