研究課題/領域番号 |
20605019
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
出川 洋介 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 助教 (00311431)
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研究分担者 |
勝山 輝男 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 企画課長 (20214356)
田中 徳久 神奈川県立生命の星・地球博物館, 学芸部, 主任学芸員 (60270691)
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キーワード | 菌類 / 微生物 / 分類学 / 博物館 / インベントリー / 自然史 / 生涯教育 / ボランティア |
研究概要 |
申請者は21年4月に博物館より現職に転出した。しかし本研究に携わる博物館の一般市民ボランティアメンバーとは、遠隔地より連絡を取り情報交換を続けながら本研究課題の実施に当たった。また、博物館に在籍する分担研究者の協力を得、博物館における作業、野外調査は続行され、以下の通り、当初計画を遂行することができた。1)調査地における月例調査は予定通り各月、年12回実施され、標本、観察データが蓄積された。前年度に購入した顕微鏡デジタルカメラ他の機器は十分に活用され、次年度作成予定の菌類誌の基礎資料となるデータの蓄積、同定作業が進められた。2)観察データや関連資料の文書、画像や、質疑応答過程は、ホームページおよびメーリングリストを活用して、本研究に携わる指導者、参加ボランティアメンバー、専門研究者と共有された。この過程でボランティアメンバーの菌類調査に関する基礎知識や技術が十分に涵養され、教育効果も上がった。3)インベントリー調査では、いくつかの班を設け、ボランティアメンバーはそれぞれ関心のある分類群を担当した。各分類群担当メンバーは、博物館・研究機関(大阪市立自然史博物館、国立科学博物館植物研究部、福井総合植物園、農業生物資源研究所、筑波大学他)の菌類研究者と交流をし、指導を受け、種同定作業を進めた。この過程でボランティアメンバーは研究者の試料収集や研究補助に大きく貢献し、いくつかの発見や採集試料は、現段階で学術的な研究成果につながった(次項参照)。 本研究課題における市民参加型調査展開、およびその活動自体が市民の社会教育効果も兼ねるという博物館学的命題は、この2年を通してほば達成されたと考えられる。最終年度の目標は、このようにして蓄積されたデータを、研究者との連携のもとにいかに学術的にも価値のある成果(菌類誌)として完成するかというところにある。
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