連携研究員の養成は、日本の博物館にとって緊急で重要な課題となっている。この研究では、学習支援要員の育成と、行政区域の境界を越えた協働の構築のための研究活動を実践した。 学習支援要員の育成については、当博物館が長年継続的に実施しているボルネオジャングル体験スクールに、卒業生で、現に関連分野の学習を行っている大学生1名と、ボルネオの生物について日本ではもっとも造詣の深い研究者1名とに、20年度のスクールへの参加を求め、学習支援を実践してもらうのと並行して、大学生には指導者にふさわしい学識を得てもらった。当人は大学院への進学を志望しており、博物館におけるこの分野での学習支援指導要員に育ってくれるものと期待する。 協働の構築については、兵庫県に隣接する京都府中丹地域で、アライグマの駆除について成果を上げつつある川道美枝子氏の協力を得、府県境地帯の外来種のコントロールについて試行を行った。肝心の兵庫県側の対応が十分でなく、予定の成果は得られなかったが、この経験にもとづき、21年度にはさらに調査研究を強化したい。
|