研究課題
今年度は、日本及びイギリスの大学発ベンチャー及び関連機関に対するインタビュー調査を中心に研究活動を進めた。イギリスは、日本と同様、90年代後半以降に、公的な大学発ベンチャー創出支援施策が充実し、大学発ベンチャーの設立が急増している。インタビュー調査からは、イギリスの大学発ベンチャーにおいて、いわゆるリーマンショックによる経済危機以降、特に、資金調達面で苦境に立たされる企業が増加傾向にあることが確認できた。イギリスで最もアントレプレナーシップ環境の整ったとされるイギリス・ケンブリッジクラスターでさえ、ベンチャーキャピタル、エンジェル等の投資資金の地域からの撤退、それに伴う資金の規模の縮小傾向が続いている。また、アントレプレナーシップ環境を支える各種コンサルタントを中心に、大学発ベンチャーにとっての主要な外部資源も、景気後退で、大学発ベンチャー関連の取り組みを縮小する傾向が見られた。その一方、ケンブリッジ大学の潜在的なアントレプレナーとしての学生、各種団体、ロールモデルとしての成功起業家による諸活動(Cambridge University Technology and Enterprise Clubが主催するInternational Networking Event等)は、景気低迷の影響を感じさせず、高いアントレプレナーシップ・マインドを維持していることが、想定外の現象として確認できた。この点、アントレプレナーシップ教育の重要性を示すものとして、特に明記しておきたい。次年度以降は、例えば、景気の後退に左右されない、大学発ベンチャーと外部資源との有効かつ効果的な連携の在り方、その本質とは何か、について、実務へのインプリケーションを念頭に、さらに研究を進めることとする。
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Working Paper, 114, Graduate School of Economics, Kyoto University
ページ: 1-27
ワーキングペーパー,80,京都大学経済学研究科
ページ: 1-11
ワーキングペーパー,78,京都大学経済学研究科
ページ: 1-19
ワーキングペーパー,77,京都大学経済学研究科
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ワーキングペーパー,75,京都大学経済学研究科
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ワーキングペーパー,74,京都大学経済学研究科
ワーキングペーパー,73,京都大学経済学研究科
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