研究課題
基盤研究(C)
わが国においては、知的財産立国実現のために、知的財産人材の育成への取り組みがなされているが、特に急務となっているのが企業等における戦略的な知的財産マネジメントを行える人材(いわゆるCIPO:Chief Intellectual Property Officer、以下CIPO)の育成である。わが国の特許(発明)を中心とする知的財産の多くは、企業や研究機関・大学等においてその従業者等においてなされており、そこから生ずる知的財産を、企業戦略や経営戦略の一環として戦略的にマネジメントする人材は、きわめて重要である。それにも関わらず、そのような人材はわが国に極めて少なく、またそのような人材の育成システムも殆ど整備がなされていない状況である。しかし、そもそも我が国においてCIPOはどの程度いるのか、あるいはCIPOはどのような経歴を有するのかというようなCIPOの実態については明らかでない。さらに、わが国においては、企業におけるCIPOは主としてその企業における研修やOJTにより主として育成されているため、各企業においてどのような形で人材育成がなされているかも、外部から明らかではない。そこで、本研究においては、わが国の企業における戦略的な知的財産マネジメントを行う人材育成について、アンケート調査とその結果の分析、そして積極的に知的財産マネジメントに取り組んでいる企業へのヒアリング調査等により、わが国における知的財産マネジメント人材の育成についての実態を明らかにする。さらに、わが国のみならず、米国・ヨーロッパ諸国等において、積極的に知的財産マネジメントに取り組んでいる企業における、知的財産マネジメント人材の育成状況についても、ヒアリング調査等を行い明らかにする。また、海外の先端的取り組みについても調査するとともに、知的財産マネジメント人材の育成について研究を行う。そして、これらの調査・研究の結果から、戦略的な知的財産マネジメント人材の育成について、広くその実態を公表するとともに、わが国企業と欧米企業における知的財産人材育成の一致点、相違点について検討、考察を行う。さらに、それらの結果を基に、本研究は、実際に大学院レベルの教育にその研究結果を反映させ、戦略的な知的財産マネジメントを行える高度専門職業人材を育成するためのプログラムを整備・構築することを目標とするものである。
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International Journal of Business Research Vol.10, No.3
ページ: 1-6
経営システム Vol.20, No.1
ページ: 46-47