研究課題
(1)生体分子の酸化修飾に直接関わる水酸ラジカルの評価を目的に研究を進めた。その結果、投与したサリチル酸のラジカル捕捉反応を利用して組織の水酸ラジカルを評価する方法論を確立した。さらに、本法で評価した組織水酸ラジカルレベルの加齢変化を解析したところ、二相性の増加を認めた。さらに、この変化と従来の酸化修飾マーカー(DNA、蛋白、脂質)との関係を明らかにした。(2)老化・寿命をエネルギー消費で説明する"生活代謝学説"は、ミトコンドリアを介して"フリーラジカル学説"と接点を持つ。活性酸素の生成がエネルギー代謝に連係するならば、エネルギー代謝の亢進を伴う活動的な生活(運動等)は活性酸素の生成を増加すると考えられる。我々は、独自に開発したイメージング装置で組織生切片の活性酸素の生成を実時間に収集・解析する方法論を確立し、活性酸素の生成が低酸素後の再酸素時に亢進することを示した。今回、高カリウム処理を施した脳組織を対象に活性酸素の生成を検討した結果、活性酸素の生成は(1)エネルギー代謝に単純に連関しないこと、(2)組織への酸素の供給と消費のバランス(レドックス)の変化に依存すること、(3)酸素の供給低下後の再酸素時に亢進すること、(4)酸素消費の亢進時ではなく、消費の緩和期に亢進すること、を明らかにした。
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