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2008 年度 実績報告書

視覚中枢原基の神経上皮幹細胞は間期に神経前駆細胞に転換する

研究課題

研究課題/領域番号 20610005
研究機関埼玉医科大学

研究代表者

中尾 啓子  埼玉医科大学, 医学部, 講師 (70338185)

キーワード神経上皮幹細胞 / 神経前駆細胞 / 細胞周期 / bHLH型転写因子 / ショウジョウバエ視覚中枢 / マウス網膜 / 増殖 / 分化
研究概要

ショウジョウバエ幼虫視覚中枢原基に存在する神経上皮幹細胞は、対称分裂による増殖を繰り返した後、非対称分裂によってニューロンを分化する神経前駆細胞に順次転換することを単一細胞の系譜解析によって明らかにしてきた。また、神経上皮幹細胞から神経前駆細胞への転換は細胞分裂(M期)を終えた直後のG1期に細胞極性、細胞接着装置、細胞骨格系の再構築が起こり、円柱状の上皮細胞から、水滴状の前駆細胞へと転換することを明らかにした。さらにこの転換は、既に転換済みの神経前駆細胞に隣接する神経上皮幹細胞にのみ起こることからそれを制御する分子機構としては、神経上皮幹細胞と神経前駆細胞の両者の細胞周期のG1期特異的な相互作用をともなう可能性が考えられた。この際に、神経前駆細胞に隣接する神経上皮幹細胞においてbHLH型の転写因子である神経前駆細胞遺伝子Asenseの発現が、細胞接着装置や細胞極性の再構築に先んじて上昇していることもわかった。今後は、神経上皮幹細胞から神経前駆細胞への転換の際に起こるさらに時間分解能を上げた遺伝子発現変化と細胞生物学的な質の変化との因果関係を詳細に明らかにしていきたい。さらに、こうした転換の分子機構の解明は、哺乳類の神経幹細胞の転換機構の解明にもつながることが期待されるので、マウスの網膜の光受容細胞が前駆細胞から生成される系を平行して解析することで将来的にマウス網膜の神経幹細胞から前駆細胞を経て光受容細胞を生成する際の分子メカニズムを明らかにする基礎を築くことが出来た。今後はさらに発生段階の早い時期に遡って解析をしていきたい。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (4件)

  • [雑誌論文] Roles of STAT3/SOCS3 pathway in regulating the visual function and ubiquitin-proteasome-dependent degradation of rhodopsin during retinal inflammation.2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Ozawa
    • 雑誌名

      J Biological Chemistry 283

      ページ: 24561-24670

    • 査読あり
  • [学会発表] ショウジョウバエ視覚野前駆体における神経幹細胞から前駆細胞への転換2008

    • 著者名/発表者名
      織原-小野美奈子
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      20081209-20081212
  • [学会発表] RolUbInfes of STAT3/SOCS3 Pathway in Regulating the Visual Function and Ubiquitin-Proteasome-dependent Degradation of Rhodopsin during Retinal Inflammation2008

    • 著者名/発表者名
      Y. Ozawa
    • 学会等名
      第31回日本分子生物学会年会・第81回日本生化学会大会 合同大会
    • 発表場所
      神戸ポートアイランド
    • 年月日
      20081209-20081212
  • [学会発表] 神経幹細胞から前駆細胞への転換2008

    • 著者名/発表者名
      織原美奈子
    • 学会等名
      第31回日本神経科学会大会((Neuroscience2008)
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20080709-20080711
  • [学会発表] 網膜炎症における視覚機能障害に対するSOCS3による神経保護効果の解析2008

    • 著者名/発表者名
      小沢洋子
    • 学会等名
      第31回日本神経科学会大会((Neuroscience2008)
    • 発表場所
      東京国際フォーラム
    • 年月日
      20080709-20080711

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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