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2009 年度 実績報告書

小分子化合物による液胞形成機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 20611007
研究機関京都大学

研究代表者

川添 嘉徳  京都大学, 化学研究所, 助教 (20402927)

キーワードケミカルバイオロジー / 液胞 / オルガネラ / オートファジー / 膜融合 / エンドソーム
研究概要

本研究計画の目的は、研究代表者が見出した、動物細胞に巨大な液胞を形成させる小分子有機化合物の作用機構を明らかにすることにより、液胞形成機構の解明を目指すものである。昨年度までの研究によって、本化合物による液胞形成にはエンドソームの同士の融合促進による肥大化が関与することが示唆されていた。本年度は、液胞膜の由来を間接蛍光抗体法を用いてさらに詳細に解析した。その結果、研究代表者の見出した化合物は、オートファジーをも誘導することが明らかとなった。オートファジーとは細胞内の大規模分解装置であり、飢餓状態をはじめとした様々なストレスで引き起こされることが知られている。オートファジーは、LC3タンパク質の特異的な脂質付加を介したプロセシング、及び同じくLC3タンパク質のオートファゴソームと呼ばれる独特な細胞内小器官への局在によって特徴付けられる。本化合物によってもこれらがともに観察されたことから、本化合物はオートファゴソーム形成を誘導していると結論した。さらに、本化合物によるオートファゴソームとエンドソーム双方への影響を明らかにするために、抗LC3抗体と抗EEA1抗体を用いた二重染色を試みた。その結果、両タンパク質は局在を共にしていることが観察された。このことは、オートファゴソームと初期エンドソームの融を示唆するものである。上記のことは、本化合物がエンドソーム同士のホモジニアスな融合のみならず、エンドソームとオートファゴソームの融合というヘテロジニアスな膜融合をも調節している可能性を示すものである。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2009

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] A small molecule that blocks fat synthesis by inhibiting the activation of SREBP.2009

    • 著者名/発表者名
      Kamisuki S, Mao Q, Abu-Elheiga L, Gu Z, Kugimiya A, Kwon Y, Shinohara T, Kawazoe Y, Sato S, Asakura K, Choo HY, Sakai J, Wakil SJ, Uesugi M.
    • 雑誌名

      Chemistry and Biology 16

      ページ: 882-892

    • 査読あり

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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