研究概要 |
小胞体内に不良タンパク質が蓄積することで引き起こされる小胞体ストレスは,低酸素・低栄養環境下にある固形がん細胞で観察され,特にその生存のために転写因子XBP1(X-boxbinding protein 1)を活性化させている.そこでXBP1の活性化阻害物質は固形がん選択的な治療薬になり得ると考え,その阻害物質を微生物培養液から探索した.その結果,2つの新規物質を含む3つの化合物の取得に成功した.それぞれのXBP1阻害メカニズムを解析したところ,そのうちの一つトヨカマイシンがXBP1を強く阻害し,小胞体ストレス状態のがん細胞にアポトーシスを誘導した.よって,トヨカマイシンが新しい固形がん選択的ながん分子標的治療薬になることが期待できる.
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