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2009 年度 実績報告書

高感受性線虫変異株を用いた高効率な生理活性物質探索システムの開発と応用

研究課題

研究課題/領域番号 20611017
研究機関東京薬科大学

研究代表者

井上 英史  東京薬科大学, 生命科学部, 教授 (20184765)

キーワード生理活性 / スクリーニング / 線虫 / C.elegans / 変異株 / Rasシグナル / 生薬 / 発生
研究概要

線虫C.elegansを用いて,高効率に種々化合物の生理活性を見出すことを目的としている.新たなメカニズムの生理活性を見出すことは,生物学研究のためのツールを得ることであり,また医薬品開発のためのシードとなることが期待される.平成21年度は,特に,種々のシグナル系等において機能獲得変異や機能喪失変異をもつC.elegans株やレポーター遺伝子を組み込んだトランスジェニック体を用いた生理活性物質のスクリーニングを試みた.対象としたシグナル系は,Ras,インシュリン様シグナル系,酸化ストレス防御系等である.その中で,異常に活性が亢進したRasシグナルを生薬ゴシュユが抑制することを見出した.すなわちlet-60/Ras遺伝子の機能獲得変異体では陰門の過剰形成(偽陰門の形成)が観察されるが,この表現型をゴシュユが抑制した.ゴシュユの主成分として知られているエボジアミンについて試験したところ同様の効果が見られた.エボジアミンによる陰門過剰形成の抑制は,ポジティブコントロールとして用いたgliotoxin(Rasの活性に必要なファルネシルトランスフェラーゼの阻害剤)と同程度であった.エボジアミンについては抗腫瘍活性などが知られているが,Rasシグナルを阻害するという文献はない.今回は,予備試験的に19種類の生薬についてアッセイを行ったが,その中で新しい知見が見出された可能性があり,今後,多数の化合物についてC.elegansの変異体やトランスジェニック体を用いて生理活性試験を行うための礎を築くことができた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Ovafolinin A-E, five new lignans from Lyonia ovalifolia.2010

    • 著者名/発表者名
      K.Kashima, et al.
    • 雑誌名

      Chem.Pharm.Bull. 57

      ページ: 191-194

    • 査読あり
  • [学会発表] 線虫C.elegansを用いた高感受性生理活性物質スクリーニングの検討2010

    • 著者名/発表者名
      神部明日香, 等
    • 学会等名
      日本薬学会第130年会
    • 発表場所
      桃太郎アリーナ(岡山)
    • 年月日
      2010-03-30
  • [学会発表] 糖新生に関与するcAMP/CREB依存的転写を阻害する天然化合物の探索2010

    • 著者名/発表者名
      野田幸恵, 等
    • 学会等名
      日本薬学会第130年会
    • 発表場所
      桃太郎アリーナ(岡山)
    • 年月日
      2010-03-29

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公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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