研究概要 |
本課題は、東北大学電子光理学研究センター(旧核理研)にある1.2GeV電子シンクロトロン(STBリング)に高調波空洞を適用することで電子ビームの短バンチ化を企図したものであり,これによりテラヘルツ帯での大強度のコヒーレント放射光源への実用化を見据えて,縦方向ビームダイナミクスについて研究することを目的としている.本年度は,放射線管理区域内に設置されている高調波加速空洞などの各種信号処理を遠隔操作で計算機制御が行えるように制御プログラムの構築を,昨年度に引き続き準備した.また,これと平行して高調波空洞に電力を供給するための入力カプラーの用意を進めた.さらにこれを実際にSTBリングに設置された高調波空洞に組み込む前に,特性の確認を行えるようにモデル空洞の製作を行った.またSTBリングにおける光取り出しポートを整備するとともに,多年にわたり使用していなかったテラヘルツ帯の光検出器についてキャリブレーションを実施し,InSbボロメータの健全性を確認した.しかし,期待されていたゴーレーセルや焦電検出器は動作確認の結果使用できないことが判明し,代わりとなる検出器を手配する必要が有ると考えている.
|