中性子線を量子ビームとして科学技術の研究開発に利用すること、さらには産業に応用することが期待され、このような利用を促進するためには、大型設備が必ずしも必要でない利用や予備照射のための利用に加速器を用いた小型中性子源の普及が望まれている。小型で高性能な中性子源を開発するためには、加速器のターゲット、減速材、中性子光学機器の設計開発が必要であり、ターゲットを冷却し安全に中性子線を発生させるための熱的設計が必要であるが設計法が確立されているとは言い難い。本研究では、小型加速器による数MeV程度の陽子線ターゲットの熱水力設計法に関する工学的な基礎研究として、固体ベリリウム、固体、液体のリチウムターゲットの冷却特性を検討している.固体ターゲットについては、有限要素法を用いて熱伝導計算による最適なビーム径の計算を行っている。液体ターゲットについては、液体リチウム液膜実験のためのグローブボックスの設計購入し、液膜形成方法と液膜厚さ測定方法を検討して、回転円盤による装置の試作とレーザー変位膜厚計による測定試験を行った。
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