研究課題/領域番号 |
20612009
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
中山 斌義 近畿大学, 理工学部, 教授 (60023313)
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研究分担者 |
橋新 裕二 近畿大学, 理工学部, 准教授 (90156266)
松谷 貫臣 近畿大学, 理工学部, 講師 (00411413)
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キーワード | 表面改質 / 生体親和性材料 / ハイドロキシアパタイト / チタン / インプラント材料 / コーティング / パルスレーザーアブレーション / レーザーアシスレーザーアブレーション |
研究概要 |
生体硬組織代替材料には、セラミックスや金属が多く使用されてきた。しかし、人工歯根や人工関節への応用を考えると、骨と早期に結合することが必要条件となる。骨の無機成分であるハイドロキシアパタイト(HAp)を材料表面上に被膜形成することで、生体親和性に優れた複合生体材料が作製できる。 HAp被膜を形成する方法には、プラズマ溶射法を初め、数多くの方法が確立されている。その一つにレーザー光を用いた方法がある。申請者らは金属チタンやアルミナセラミックスにHAp被膜を形成するための新しい方法としてレーザーアシスト・レーザーアブレーション法(LALA法)を開発してきた。この方法では通常のパルスレーザー堆積法(PLD)に比して結晶性の良いHAp被膜を形成する事ができる。 21年度は、科研費で20年度備品として購入した引張試験機にて、PLD法とLALA法でTi上に作製したHAp被膜の密着力の違いを測定した。その結果、LALA法で作製した被膜強度はおよそ30MPa以上であり、PLDでのそれはおよそ15MPaであった。LALA法での被膜形成法はHApの結晶性のみならず、その密着性でも優れた性質を持っていることがわかった。また、スクラッチ試験後の電子顕微鏡写真でもこの様子が明瞭に観察できた。 昨年度LALA法はTi上へのダイヤモンド様炭素(DLC)膜形成には応用できない事が分かったため、本年度はフェムト秒レーザーによるTi表面への粗面形成を行った。これによりDLC膜の密着強度は格段に向上し、粗面形成していない表面上のそれに比較しておよそ16倍以上の強度が得られた。
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