研究課題
原子炉からの放射性廃棄物処理処分、核燃料サイクルでは、長寿命核分裂生成物の非破壊検査法の開発が望まれている。われわれは、エネルギー可変(2~4MeV)で準単色な逆コンプトンγ線を用いた光核蛍光散乱による新しい測定法を提案した。本研究ではこの光核蛍光散乱法の有用性を示すために、シミュレーションコードの開発および模擬実験によって実証することを目的としている。本年度は、昨年度までに開発したモンテカルロシミュレーションコードを用いて、軽水炉の使用済燃料中のPu239検出シミュレーションを行った。水中に保管された使用済核燃料に対して外部からγ線を照射し、Pu239によって光核蛍光散乱されたγ線をGe検出器によって計測することで、非破壊でPu239を検出できることがわかった。また、ERLによる高輝度X/γ線源についても検討を進め、シミュレーションコードの検証を行うための実証試験についての検討も進めた。これらの結果、エネルギー可変の準単色γ線を用いた光核蛍光散乱法が同位体検出に有効な事がわかった。
すべて 2011 2010
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Nuclear Instruments and Methods in Physics Research A
巻: 621 ページ: 695-700