研究課題/領域番号 |
20612016
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
中村 充孝 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究副主幹 (00370445)
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研究分担者 |
曽山 和彦 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主幹 (90343912)
中島 健次 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究主幹 (10272535)
梶本 亮一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, J-PARCセンター, 研究副主幹 (30391254)
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キーワード | 中性子散乱 / パルス中性子源 / チョッパー型広光器 / J-PARC / 量子ビーム |
研究概要 |
パルス中性子源におけるチョッパー分光器では、非弾性散乱信号が微弱であるこどから、極めて長い測定時間を要するという問題があった。通常、チョッパーによって選択される入射エネルギーは単一であるが、研究代表者らは複数の入射エネルギーを試料まで導くことで中性子非弾性散乱実験の測定効率を飛躍的に高める手法(Multi-Ei法)を提案し、研究開発を進めてきた。 平成21年度に実証実験に成功したMulti-Ei法は、平成22年度には、J-PARC/MLFに設置されているチョッパー分光器BL01四季とBL14アマテラスでユーザーによる供用が進められ、多岐にわたる学問分野で数多くの成果が創出された。加えて、Multi-Ei法の測定効率をさらに向上させるために、我々は中性子スーパーミラーを貼付した新規スリットパッケージを中性子透過窓とする新型フェルミチョッパー(MAGICチョッパー)の開発を進めてきたが、平成22年度には、パルス中性子の発生周期と同期する回転制御技術を確立することに成功し、新規スリットパッケージの性能評価用回転試験機の実機製作を完遂した。この回転試験機を利用した新規スリットパッケージの性能評価試験をJ-PARC/MLFのBL10特性試験装置で実施したところ、入射中性子の強度が低エネルギー領域で顕著に増強されること及び広いエネルギー範囲にわたって一定のエネルギー分解能が得られることなど、当初想定していた通りの性能を発揮することを実証できた。これら一連の成果から、スリットパッケージ仕様最適化の開発サイクルが確立され、MAGICチョッパーの実機完成の目処を立てることができた。
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